SimaProは多くのユーザーの声を反映しながら進化してきました。 その結果、非常に多機能でありながら、直感的な操作性を備え、LCAの実務者に嬉しいユーザーフレンドリーかつ効率的なソフトウエアとなっています。
ここではSimaproの特徴を7つに分けてご紹介します。
特徴① 卓越した操作性
複雑な計算結果もワンクリックで表示を切り替えられます
複雑なネットワークもカットオフですっきり表示して、影響を与えるプロセスを確認
(気候変動、正規化、カットオフ0%)
(気候変動、正規化、カットオフ0.3%)
(気候変動、正規化、カットオフ0.8%)
LCAを実施していると解析結果を様々な視点から眺めて検討を進める必要があります。 SimaProでは、影響評価の各段階からインベントリの一物質にいたるまで、 見たい視点でカットオフ範囲を指定して解析結果をフィルタして表示できます。
特徴② 卓越した操作性
SimaProでは、インベントリ分析、影響評価の結果はボタン一つで、棒グラフ、円グラフ、表といった形式に変更できます。 また、LCAの構造と結果をあわせて一目で見れるサンキー表示(矢印の太さと色で影響を示す)、温度計表示など豊かな表現で、視覚的に理解を助けます。
モデルの構造がひと目でわかるツリー表示
プロセス間のライフサイクルの影響度合いがひと目でわかるサンキー表示
重要なライフサイクル影響がひと目でわかる棒グラフ
ライフサイクルに占める影響の割合がひと目でわかる円グラフ
特徴③ 豊富な実装データ
インベントリデータベース ( Inventory Database )
SimaProでは、LCAをすぐに行えるようにインベントリデータベースが複数搭載され10,000以上のプロセスがそのまま利用できます。 たくさんのインベントリデータを持っていることで、不要なデータ収集の手間を省くことができ、焦点を絞って効果的なLCAを実施できます。
名称 | 出典/内容 | プロセス数(※1) | |
---|---|---|---|
SimaPro9日本語版 | SimaPro9英語版 | ||
Ecoinvent v.3 | ecoinvent プロジェクト (欧州)の最新データベース。Cut-offモデルを搭載し、グローバル対応、ウォーターフットプリントへも対応したデータベース。 | 48,089 | 53,287 |
Agri-footprint | blonk consultantsが開発した、農業と食品に重点を置いたデータベース。 | 9,718 | |
Industry data 2.0 | 各種。APME(ヨーロッパプラスチック生産者協会)などの業界団体の発表データ。 | 345 | |
US LCI | 国立再生可能エネルギー研究所のデータベース。米国における、素材、エネルギー、輸送等を対象としている。 | 1,587 | |
EU & DK Input Output | デンマーク(133セクター)及びEU27(142セクター)の産業連関式データベース。 | 277 |
(※1)プロセス数は2024年10月時点のものであり、様々な理由で変化することがあります
影響評価手法 (Impact Assessment Methods)
影響評価(インパクトアセスメント)とは、インベントリ分析によって製品・サービスのライフサイクルにわたるエネルギー使用量や、 環境負荷物質の排出量が得られたところで、それらが環境や人間に対してどれだけの影響があるかを評価するための手法です。 SimaProには、欧州や日本で開発され、利用されている影響評価手法も数多く搭載(※1)しています。 目的に合わせて影響評価を実施することができます。
名称 | 出典/内容 | SimaPro9 日本語版 | SimaPro9 英語版 |
---|---|---|---|
Environmental Footprint 3.1 (adapted) | EU環境フットプリント | ○ | |
Water Footprint Methods | Boulay, Pfister, Motoshita, Hoekestra など最新の研究成果 | ○ | |
USEtox | UNEP-SETAC Life Cycle Initiativeタスクフォース(毒性) | ○ | |
BEES+ | アメリカ合衆国の国立標準技術研究所 | ○ | |
TRACI2.1 | 米国 環境保護庁(US EPA) | ○ | |
CML-IA baseline | ライデン大学 環境研究センター (CML) | ○ | |
Ecological footprint | Ecoinvent 2.0. の実装を使用 | ○ | |
ReCiPe | RIVM, CML, PR・Consultants, Radboud Universiteit Nijmegen and CE Delft | ○ | |
Eco-indicator 99 | PRe社、およびオランダの大学や企業を含む共同プロジェクト | ○ | |
Ecopoints 97(CH) | スイス環境庁(BUWAL) | ○ | |
EDIP 2003 | デンマーク工業大学 | ○ | |
EPS 2000 | スウェーデン環境研究所 | ○ | |
IPCC 2021 GWP 20a,100a,500a | 気候変動に関する政府間パネル | ○ |
(※1)上記は標準搭載される影響評価手法の一部となります。
日本語版、英語版、バージョンによっては、一部含まれないものもございます。
特徴④ 数多くの先進機能
不確実性分析
データは多くの場合不確実性を持ちえます。 その不確実性をデータへ設定し、1つのプロセスの不確実性、または、2つのプロセスのモンテカルロ法による不確実性分析結果を求めることができます。 不確実性情報をもつ二つの製品を比較すると、その結果も分布の形で得られます。(本機能の対応ライセンス:エキスパートユーザー、パワーユーザー、PhD)
パラメーター分析
Excelとのリンク機能
SimaPro パワーユーザーではLCAモデルのパラメーターとして設定する数値をExcelから読み込むことができます。SimaProモデルを一度作成した後、主要なデータの入力、変更、更新は使い慣れたExcelで行うことで、常に新しい状態の値で再計算されます。この機能はLCAモデルの構造が似通っており、複数のシナリオや商品がある場合に特に有効です。(本機能の対応ライセンス:パワーユーザー)
特徴⑤ 社会影響評価
SimaProでは、SHDB, PSILCA等、国際産業連関表(Multi-Regional Input Output Database)をベースにした社会影響のホットスポット分析が可能なデータベースをサポートしています。
SHDB (Social Hotspots Database)
SHDBは世界初の社会影響を評価できるデータベースです。
http://www.socialhotspot.org/
特徴⑥ 日本データ
SimaProは、国産LCAデータベースIDEAに対応しています。単位プロセス型のデータベースであるIDEAをそのままSimaProプラットフォーム上で使えますので、サプライチェーンの見える化、ホットスポットが一目でわかります。
IDEA v3は次のような特徴を持つ日本の統計等から開発されたLCAデータベースです。
- 日本国内の全ての事業(一部サービスを除く)における経済活動を網羅的にカバー
- 全データセットを「日本標準産業分類」を中心とした分類コード体系で整理
- GHGや酸性化、オゾン層破壊、水資源、土地利用等の170以上の基本フローで主要影響領域をカバー
- データセット数3800以上の解像度でLCAを強力に支援
- 日本の影響評価手法LIME2に対応
IDEAをSimaPro上で使うことで、単位プロセス型データベースであるIDEAの特徴が生き、最大限の透明性をもってIDEAを利用することができます。
特徴⑦ COM API
SimaProパワーユーザーでは、COMインターフェイスを介して、Visual Basic, C#, Java, PHP などの言語で、SimaProを他のソフトと接続することができます。 この機能によって、他のソフトウエアから、SimaProを呼び出し、LCAデータを投入したり、計算結果を利用したりすることができます。
利用シーン
- CA/CAMシステム
製品のデザイナーへ選択した内容に応じた、環境影響評価結果をフィードバック
- ERPシステム
サプライチェーンも含めた組織の物質、エネルギー、輸送、フローなどを可視化して報告
- PLMシステム
PLMへ環境側面の情報を負荷